2000.03.24:平成12年第1回定例会

◯19番(黒子秀勇樹)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、本議会に上程されました平成12年度一般会計、特別会計及び企業会計の予算議案、条例案並びに関係諸議案83件について賛成の意を表し、討論を行います。我が党の意見は、代表質問、補足質疑、各分科会及び総会質疑において述べてまいりましたので、ここでは我が党が特に重要だと考えます幾つかの問題について意見要望を申し上げます。
 我が国の地方財政は、バブル崩壊後の地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入の低迷、数次にわたる景気対策のための公共事業の追加や減税の実施により借入金が急増し、その償還が将来の財政運営を圧迫することが強く懸念される状況となっています。一方では、地方分権一括法が成立し、地方分権の推進が実行の段階を迎える中で、少子・ 高齢化に向けた地域福祉施策の充実、生活関連社会資本の整備等の重要政策課題に対応していく必要があり、地方自治体が担うべき役割と、これに伴う財政需要はますます増大するものと見込まれています。このような財政状況を踏まえ、限られた財源の重点的配分と支出の効率化に徹し、地域福祉の充実等の財源については確保し、財政運営の自主性、自立性を高めるとともに、財政の運営に支障がないようにすることが求められています。以下、このような認識に立って意見を述べてまいります。
 初めに、個人給付施策の見直しについて申し上げます。我が党は本年1月6日、市民の福祉を守る立場から、山崎市長に対し幾つかの申し入れを行いました。その主な項目は以下のとおりであります。
 乳幼児医療については、見直し案を後退させることなく、平成14年度までの間に、現行3歳未満児までの入通院費助成を就学前児童にまで拡大すること。特に、小児慢性特定疾患児への医療費助成、入院及び通院については平成12年度中に実施すること。老人医療費助成については、連立与党である自由民主党、自由党、公明党・ 改革クラブの合意文書において、高齢化社会での生活の安心を実現するため、まず、2005年を目途に、年金、介護、後期高齢者医療を包括した総合的な枠組みを構築するとしていることから、国の基本方針が定まるまで現行の医療費助成制度を維持すること。福祉見舞金については、受給者の生活設計に影響を与えないよう、現在同見舞金を受けている対象者に対しては現行制度を維持し、新たな対象者から見直すこと。敬老乗車券、高速鉄道福祉乗車証等については、両者を統合することで地域的受益格差を解消することについては妥当な方向と思うが、所得制限を設けることによって支給対象外となる人々に対しては何らかの経過措置を講じるとともに、見直し案に示された交付金額を増額すること、ということでありました。今回、本市の見直し案に示されている乳幼児医療費助成の対象を4歳未満の入通院医療費及び4歳から就学前児童までの入院医療費に拡大するという見直し案は一歩前進と受けとめ、一定の評価をするものであります。一日も早く、通院医療費についても就学前まで実施するよう強く要望しておきます。
 次に、老人医療費助成及び敬老乗車券、高速鉄道福祉乗車証などへの所得制限の導入、強化、また福祉見舞金については、社会的に弱い立場の方々や高齢者の生活を直撃し、さらに高齢者の社会参加の機会を奪うことになりかねません。福祉制度の見直しや財政健全化の名のもとに、市民の間に定着している福祉施策を安易に切り捨ててはならないと思います。第2次行財政改革大綱を抜本的に見直し、10%前後の職員定数の削減、公共事業の5%カット、外郭団体の大幅な統廃合などを断行すれば、3事業の見直しはもちろん、市の考える福祉の切り捨てはしなくて済むものと考えます。12年度予算案に盛られた37億円の経常的経費の節減、縮減は、福祉の見直しによって達成したのであって、市みずからの努力というよりも市民負担に求めたものであり、行革の名に値しないものであると考えます。行財政改革を徹底し、市みずからのぎりぎりの努力を市民の前に示し, その結果をもって市民に見直し案を提示すべきではなかったかというのが我が党の見解であります。しかしながら、老人医療費助成については我が党の主張を一部取り入れ、激変緩和措置を設けたことは是とするところであります。また、敬老乗車証については、来年度予算での計上となるので、交付額の増額、未使用分の翌年度への繰り越し及び既交付者への経過措置等さらに検討をされるよう強く要望しておきます。
 次に、財政問題についてであります。
 本市の平成12年度末の市債残高は1兆2,169 億円、全会計では2兆4,438 億円、市民1人当たり183 万円となっており、起債制限比率は15.7%と極めて厳しい事態になっています。なお、財源の不足分は基金70億円を取り崩しておりますが、年度末の基金残高見込みは86億円で、ピーク時の平成4年度末の942 億円と比べると1割以下となっており、財政危機寸前の状況に至っております。一方、歳出面は、公債費、扶助費などの増嵩とともに、4月からスタートする介護保険制度や子育て支援策など必要に迫られた支出が増大しております。このような中、今後とも健康、福祉、環境、教育など、市民生活に密着した施策の充実や都市基盤の整備などに柔軟かつ的確に対応し、事業の厳選や経費節減に努めていただきたいのであります。また、歳入の確保と財源に見合った財政歳出構造の確立と、市債発行額を抑制し、平成14年度を目途に、市債償還額と市債発行額の均衡を図り、それ以降の市債残高を増加させないという目標を断じて達成していただきたいことを要望しておきます。
 行財政改革については、効率的で効果的な行政システムを確立するため、事務事業や組織、機構の見直し、職員定数の適正管理、外郭団体の役員の定数及び報酬、退職金の適正化など、歳出の徹底した見直し、抑制、財政体質の健全化に最大限努めていただきたい。また、経営管理委員会の提言を踏まえ行政評価制度の早期導入や、企業会計システムなど公会計制度の改革及び外郭団体の経営評価システム、公共事業のコスト削減やPFI導入などについて検討を進め、経営的視点による新たな自治体経営に取り組まれるよう要望いたします。さらに分権型社会の実現に向けた取り組みを真に実行あるものとするため、区役所機能の強化や職員の政策立法能力の向上に努め、市民が主役のまちづくりを進めるよう求めておきます。
 いよいよ来月より介護保険サービスがスタートします。サービス開始の秒読み段階となって、ケアプランの作成などの事務作業のおくれが心配されています。また、要介護高齢者の間では、いまだに介護保険の仕組みがさっぱりわからないとの声が聞こえます。申請を待つ姿勢では利用者本位の介護保険サービスの提供はできません。積極的な情報提供を行い、万全の体制を取られるよう強く要望いたします。自立や低い認定により、従来の福祉サービスが受けられなくなる事例については、新たな保健福祉サービスや激変緩和の経過措置について、具体的に本人や家族に提示し、円滑に新たなサービスに移行を図っていくことが大切であります。特に、非該当及び要支援になったお年寄りや家族に、納得のいく説明と対応をされるよう要望いたします。
 次に、施設整備については、急増する痴呆症高齢者に対応するため、地域における拠点として、グループホームなど地域に根差した施設の絶対数が不足しております。地域における共助の意識を育てるためにも、小学校区1カ所くらいの目標で早急に整備する必要があると思います。国に対して予算補助の要望をするとともに、本市の積極的な取り組みを期待するものであります。
 次に、介護サービス事業者との契約に際しては、契約になじみの薄い高齢者の権利を守り、安心して契約するために、市民本位のモデル契約書をつくり市民に公開すべきであります。また、介護認定に対する公平、公正を期するため、疑義が生じた認定については、単に相談する窓口で苦情に対応するのではなく、独自に審査する機関を設置するとともに、福祉オンブズマン制度の導入についても、あわせて要望しておきます。
 次に、教育問題についてであります。
 初めに教育改革プログラムの策定については、21世紀に向けて、子供たちが夢や希望を抱きながら生きる力をはぐくめる教育環境が実現できるよう、独創性のあるものを策定していただきたいことを求めておきます。いじめ、不登校、学級崩壊については、ボランティア活動や体験学習を取り入れ、他人を思いやる心や豊かな個性を育て、人間としてのよりよき生き方を教える人間教育に取り組んでいただきたいことを要望しておきます。また、30人学級を実現することにより、きめ細かな教育を実現していただきたい。教員採用試験については、年齢制限の緩和、社会人採用枠の拡大により、多彩な人材の登用を図るとともに、教員1人1人の教職能力や責任感、使命感、情熱など、教師として必要な資質を向上させるための研修の取り組みを求めておきます。さらに、学校が家庭や地域と連携し、たくましく思いやりのある子供を育てるために、地域における指導者の養成、親子の触れ合いや地域交流などを実施し、家庭や地域の教育力の向上に努めていただきたい。空き教室の活用については、市民の多様なニーズにこたえ有効活用されますとともに、公民館のコミュニティー支援機能の充実についても、多彩な市民活動の支援が可能となるように、ハード面の拡充とともに、ソフト面の機能の充実を図られますよう要望いたします。子ども総合計画については、実施計画の策定及び計画の進行管理を行うとともに、若い親たちが安心して子育てができる子育て情報の提供、子どもふれあい広場などの環境整備に全力で取り組み、社会全体で子育てを支援できるシステムを構築されるよう要望しておきます。
 次に、児童虐待の防止について申し上げます。本市の児童相談所における相談件数は平成11年度の見込みで141 件と、平成7年度の8倍強に当たります。急増する児童虐待への対策は急を要する問題であります。親権停止など法的な不備も多い中、児童相談所の対応も厳しい面もあるようでありますが、土日や休日、夜間でも相談が受けられるようにすべきであります。さらに24時間対応のホットラインの設置も必要であります。児童虐待が休日や夜間に多いため、防止や早期対処への対策を早急に整えるよう強く要望いたしておきます。
 次に、環境対策について申し上げます。資源を大切にする本格的なリサイクル社会に転換するため、リサイクル手法やシステムを構築し、循環型社会を目指すべきであります。そのために、まずリサイクルの目標を設定し、ごみ焼却場に頼らないまちづくりに着手すべきであります。さらに、ダイオキシンについてもゼロにするよう特段の努力をするよう要望いたします。
 中小企業対策については、中小企業の資金需要にこたえる緊急景気対策融資の再実施を初め、各種融資制度についても、信用保証料の補助や金利の助成、融資期間と据え置き期間の延長などさらなる拡大を求めるものであります。地場中小企業への発注枠を確保した公共事業については、福祉施設や住宅、教育施設など生活関連公共事業の大幅な拡充によって地場中小企業への発注をふやすなど、本市公共工事については70%以上の発注枠の確保に努められるよう強く要望するものであります。あわせて起業家の育成、NPO事業者への支援制度を設けるなどの施策が必要であると考えます。商店街振興のため、まちづくりを初めとする各種施策についても積極的な取り組みを要望いたします。また、伝統産業の振興については、博多織、博多人形などの生産額の減少、職人の激減、後継者の不足などが一段と深刻になっていることから、技術者育成事業、販路の拡大、伝統工芸品宣伝事業になお一層力を注がれるよう強く要望しておきます。
 農林振興施策については、本市の主農産物である花の振興策や施設整備事業への一層の助成、特産品ブランド化の推進、さらに、農地流動化が促進されるような新しい基本構想の策定など、高度な農業経営の取り組みを積極的に進められるよう求めておきます。
 アイランドシティについては、隣接地の1号橋や5号橋など関係道路の早期完成に向けて、今後一層努力されるよう要望いたします。
 次に、都市交通対策についてであります。本市の交通事情調査を見ると、人の動きや自動車利用のさらなる増加など極めて厳しい交通渋滞状況が続くものと推定されています。したがって今後は、ハード面の整備からソフト面の施策に軸足を移し、都心部における慢性的渋滞の緊急的解消のため、パーク・アンド・ライドやバス・アンド・ライドなどを推進されるよう強く要望いたします。また、新空港構想についても積極的に推進されますよう求めておきます。
 博多リバレインの保留床や経営問題などについては、都市未来ふくおかに対して指導、監督、支援のあり方を見直し、安易な公費の負担などはするべきではないことを指摘しておきます。
 次に、住宅政策についてであります。昭和40年から50年に建設された住宅はエレベーターが設置されておらず、高齢者や障害者が高い階に入居できないなど対応がおくれています。高齢者や障害者の応募条件の緩和とあわせてエレベーターの設置を求めておきます。また、ストックされた住宅のリフォームなどによる有効活用や民間住宅の借り上げについて研究を進め、高齢者や障害者、母子家庭世帯等が安心して入居できるよう、住宅政策の一層の充実を強く要望しておきます。
 次に、水の安定供給を目指して準備が進んでいる海水淡水化事業については、都市圏の自治体と協力しつつ、工事の円滑な進捗やコスト削減のため、国や県に対しさらなる予算確保などを働きかけていただきたい。
 下水道整備については、西区、早良区など普及のおくれている地域の整備を急ぐとともに、都心部の分流化にも取り組まれたい。また、再生水利用についても地域拡大を図るよう訴えておきます。また、河川の整備については、昨年の6.29 集中豪雨対策の一環として進められている御笠川改修工事などが計画どおり進むよう取り組みをお願いします。
 さらに、包括外部監査の指摘に関連して、事業のコスト削減、収益の確保、債権の早期回収などに特段の努力を要望しておきます。
 次に、道路については、高速道路の延伸、外環状道路の平面道路、西南部交通対策、生活道路整備などに全力を傾注していただきたい。また、道路、交差点などのバリアフリー化や、駐輪対策を進めるとともに、アイランドシティや香椎副都心、地下鉄3号線沿線などで自転車専用レーンを持つ道路を整備してサイクル・アンド・ライドのモデル地区を構築するよう要望いたします。
 以上、我が党の意見要望を述べてまいりましたが、地方分権の進展に備えた行財政システムの構築に努めるとともに、市民の視点に立った予算の執行に御努力いただきますよう要望して、公明党市議団の賛成討論を終わります。