2016.09.14:平成28年第4回定例会(第4日)

◯32番(黒子秀勇樹)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、文化芸術の振興について、並びにおいしい水プロジェクトの推進、特に貯水槽水道の適正管理について質問をしてまいります。
初めに、文化芸術の振興について質問をいたします。
南米で初めて開催された第31回夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会が、大きな歓喜と感動の中で終わりました。
日本選手団は、柔道、競泳、レスリングなどの個人種目だけではなく、体操日本の団体総合、バドミントン女子ダブルス、卓球の男子、女子など、チーム力も輝いた戦いでした。中でも、陸上男子400メートルリレーは、個の力では及ばずともお互いの力を信じ団結することで世界で渡り合えるということを教えてくれ、まさにきずなでつかんだ銀メダルでした。
先日、7日から世界最高峰の障がい者スポーツの祭典であるパラリンピックが始まりました。ハンディを乗り越え、人間の可能性に挑む姿は、多くの勇気と希望を与えてくれています。リオ五輪が終わると、世界の目は、いよいよ東京大会に注がれていきます。オリンピックに関しては意外と知られていないことですが、大会の開催に当たってはオリンピリズム、いわゆるオリンピック精神の普及を目指す観点から、スポーツ競技と同時に文化芸術の振興も重要なテーマとなっております。
まず、オリンピックにおける文化芸術について、IOCのオリンピック憲章にはどのように記載されているのか、説明をしてください。
以上で1回目の質問を終わり、以降は自席にて行います。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) オリンピック憲章における文化芸術についてでございますが、まず、IOC、国際オリンピック委員会の使命と役割として、スポーツと文化及び教育を融合させる活動を奨励し、支援することとされており、また、NOC、国内オリンピック委員会の使命と役割として、文化的なものを含め、オリンピック・ムーブメントと関連するその他のプログラムを奨励することとされております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) すなわち、オリンピックとはスポーツだけではなく、文化、教育と一体となった活動であるということであります。つまり、4年後の東京大会の成否を左右する一つが文化プログラムということになります。リオ五輪の大会閉幕後から、次の開催国である日本で4年間にわたって実施されるこのイベントは、オリンピック憲章のスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求する精神を具体化する取り組みと位置づけられております。
政府は、東京大会までに多くの人が参加できる文化の祭典を各地で実施する計画のようですが、まず、東京と京都でスポーツ・文化・ワールド・フォーラムが開催されると聞いております。その趣旨と期待される効果などについて聞かせてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) スポーツ・文化・ワールド・フォーラムにつきましては、文部科学省などが主催し、ことしの10月19日から22日にかけて京都と東京で開催される国際会議で、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等に向けてその機運を国際的に高めていくためのキックオフイベントとして実施されるものでございます。
京都会場では、文化プログラムの推進や具体的な企画等をテーマとする会議が開催されるとともに、我が国が文化芸術立国を実現していく旨の京都宣言も公表される予定となっております。また、世界遺産となった二条城を会場に歴史、伝統をテーマにしたイベントやバイオリンと和楽器とのユニットによるコンサートなどの文化的なイベントも開催されることとなっております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 来月19日から東京と京都で開催されるフォーラムをキックオフとして、スポーツ立国、文化立国、観光立国を実現するとしております。文化プログラムは、オリンピックの開催都市で実施されるだけではなく、全国で実施されると聞いております。例えば、前回のロンドン大会では、開催都市のロンドンだけではなく、イギリス全土で地域を12地域に区分して、各地域でプログラムが行われております。
政府や大会組織委員会は、東京大会の文化プログラム参加に向けた申請の受け付けをこの秋に開始すると聞いておりますが、本市はどのような形での参加を考えているのか、お伺いします。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化プログラムにつきましては、文部科学省や文化庁などがことしのリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会の終了後、4年間にわたって魅力ある文化プログラムを全国で展開していくことを打ち出しているところでございます。本市におきましても、東京大会の開催に向けまして、文化プログラムの趣旨を踏まえ、福岡市の強みを生かした文化事業の実施について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 文部科学省は魅力ある文化プログラムを今回のリオデジャネイロ大会後から4年間にわたって日本全国で大々的に展開していくということであります。政府は、開催件数の目標を史上最多となる20万件に掲げ、参加アーティスト5万人、参加人数延べ5,000万人を見込んでいるようであります。東京大会の経済効果は全国で2兆9,600億円ともしております。これほどのプロジェクトですから、本市も参加をするのであれば、本格的な体制づくりが必要ではないかと思いますが、お答えください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡市の文化プログラムを実施する体制づくりでございますが、今後、文化庁などの助成制度の内容が明らかになってきますことから、これを踏まえながら、福岡市の文化プログラムを検討していくこととしており、その中で効果的な体制等につきましても検討してまいります。また、他の自治体との連携による取り組みについても、検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 文科省の取り組みなどを見ておりますと、文化芸術に対する認識が大きく変わってきているように感じます。今、まさに文化芸術政策の転換点に立っているような感じがいたします。
そこで、本市の文化芸術の政策の基本方針はどのように定められているのか、お伺いいたします。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡市では平成20年12月に福岡市文化芸術振興ビジョンを策定し、この中で、全ての人々にとっての文化芸術、未来へ向けての文化芸術を基本理念とするとともに、政策目標や環境及び仕組みづくりなどに関する施策方針を定めているところでございます。
また、平成24年12月に策定しました第9次福岡市基本計画では、心豊かに文化芸術を楽しむまちづくり、創造的活動の基盤となる文化芸術の振興、そして観光資源となる魅力の再発見と磨き上げを施策として位置づけており、これらに基づきまして文化芸術に関する各種の取り組みを推進しているところでございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) これまで本市は文化芸術振興ビジョンに沿って政策を進めてきたということでありますけれども、文化芸術を取り巻く環境は目まぐるしく変化をしてきていると思います。点検や見直しはどのように行ってきたのか、お答えください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡市文化芸術振興ビジョンの点検及び見直しについてでございますが、まず、ビジョンに基づく事業につきましては、毎年度実績確認や振り返りを行うとともに、基本計画なども踏まえながら事務事業の見直しに努めてきたところでございます。また、ビジョンでは、その推進期間を平成21年度から10年程度と想定しており、現在、平成30年度を目途にビジョンの改定を行うことを目指して、必要な調査や検討を進めているところでございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 文化プログラムを日本全国で実施していくには、そのための推進力となる組織が必要となってまいります。ロンドン五輪大会において大規模な文化プログラムが実現した背景として、イギリスにアーツカウンシルという文化芸術支援のための専門組織が存在していたことがあるとも言われています。このアーツカウンシルについて簡潔に説明をしてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) お尋ねのアーツカウンシルにつきましては、イギリスを発祥の地とするもので、政府や行政組織等と一定の距離を保ちながら、文化芸術を振興する事業に対する助成を基軸とする文化政策を執行する専門機関であるとされております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 2015年4月16日に答申された文化芸術の振興における基本的な方針、第4次基本方針には、日本版アーツカウンシルの本格的な導入を図ると記述されております。基本方針には、地方公共団体等が文化芸術団体、企業、NPO等の民間団体や大学等と一体となって、企画、実施する計画的な文化芸術活動を推進すると書かれております。
文化庁は、地方自治体に対して地方版アーツカウンシルの創設に向けて支援策を考えているようでありますけれども、その内容について聞かせてください。あわせて、既にアーツカウンシルに取り組んでいる自治体等があれば教えてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) まず、文化庁の地方版アーツカウンシルの創設に向けた支援策についてでございますが、地方公共団体が文化芸術分野の専門性を有する団体を活用して文化芸術政策の企画立案や遂行、助成事業などを行う組織体制を構築する場合などにこれを支援しているものでございます。
次に、既にアーツカウンシルに取り組まれている事例につきましては、文化庁が日本版アーツカウンシルの試行的な取り組みを行っておりますほか、地方自治体では、東京都、大阪府、沖縄県、そして横浜市でアーツカウンシルの取り組みが行われているところでございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 文化庁のほか、自治体では東京都、大阪府、沖縄県、横浜市などが取り組んでいるとのことですが、静岡県、大分県、さらに新潟市などについても、創設に向けて動き出しているようであります。
2020年オリンピックの開催都市である東京都は、数年前からこのアーツカウンシルに取り組んでいるということであります。東京都の取り組み状況について教えてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 東京都におけるアーツカウンシルの取り組みでございますが、民間のすぐれた芸術文化活動を支援することを目的として、行政組織からの一定の独立性と文化芸術に関する専門性を有する機関としまして、アーツカウンシル東京が、平成24年11月に設立されております。現在、アーツカウンシル東京では、文化芸術分野における専門的かつ長期的な視点に立った活動支援や先駆的事業の実施などを通じて東京の文化を都民や世界に向けて創造、発信する取り組みや、オリンピックを契機とする文化プログラムの実施に向けた先導的役割を担うプロジェクトの展開などに取り組まれております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) このアーツカウンシルというと、聞きなれないかもしれませんけれども、市議会を英訳すると、シティカウンシルとなります。会議を意味するカンファレンスではなく、討議や評議という意味合いのカウンシルというところに深い意味があるようです。また、アートではなくアーツと複数形になっているように、多様なアート活動の分野や形態について総合的かつ専門的に議論し、決定するという役割があることを意味しています。
本市においても、行政組織と一定の距離を保ちながら文化芸術政策の執行を担う専門機関が必要であると思います。福岡版アーツカウンシルを立ち上げ、文化芸術政策を再設計する時期に来ているのではないかと思いますが、所見を伺います。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡版アーツカウンシルないし文化芸術政策の再設計についてのお尋ねでございますが、文化振興施策の実施組織として設立された本市の外郭団体である福岡市文化芸術振興財団におきましては、文化芸術活動への助成に際して文化芸術の各分野の専門家を交えて助成事業の審査及び選定を行うなど、アーツカウンシルで行われているものと同様の手法も取り入れながら、文化活動に対する支援を実施してきているところでございます。
今後、文化芸術振興ビジョンの改定とあわせまして、文化施策及び文化芸術振興財団のあり方につきましても検討していくこととしており、その中で、議員の御指摘も踏まえながら、必要な見直しについて取り組んでまいります。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 文部科学省は、スポーツ・文化・ワールド・フォーラムは真の文化芸術立国実現への基盤構築を目指すとともに、観光庁とも連携して、訪日客4,000万人の達成も掲げております。観光庁は、日本人観光客に加え、外国人訪日客向けに東京や大阪を結ぶいわゆるゴールデンルート以外の地域の魅力を掘り起こし、新たな旅行需要を創出するとしております。観光客を呼び込むには地方に点在する観光資源を掘り起こし、磨き上げ、効果的に宣伝し誘導する必要があります。
本市は、訪日外国人客4,000万人達成に向けて、観光資源の掘り起こしや磨き上げなど、どのように取り組んでいこうと考えているのか、お答えください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 観光資源の掘り起こしや磨き上げに関するお尋ねでございますが、福岡市では現在、福岡観光・集客戦略2013に基づき、歴史、文化や自然景観を初めとする地域の観光資源の魅力向上に取り組んでいるところでございます。これまで、博物館、美術館、博多座など文化施設のリニューアルによる魅力の向上や、多言語化など訪日外国人観光客の受け入れ環境の整備、福岡城址など文化財の復元や活用の推進、自然や伝統工芸などを生かしたインバウンド向けの体験プログラムの開発、観光資源のネットワーク化による効果的な観光コースの構築などに取り組んできております。
今後とも、訪日外国人の観光ニーズや本市の強みを踏まえながら、観光資源の掘り起こしや磨き上げに取り組んでまいります。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 私は、身近な地域の歴史や文化に触れ、それを生かすことによってきらりと光る魅力的な地域をつくり上げていくことこそが地域資源を掘り起こしていくことだと思うのですが、本市はそのあたりの感度が少し弱いのではないかと感じます。
皆さんは、博多八景という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「蜩ノ記」で直木賞を受賞した葉室麟氏が書いた「千鳥舞う」という小説は、春香という女絵師が、博多織を江戸ではやらせた豪商亀屋藤兵衛から博多八景のびょうぶ絵を描くよう依頼を受け、博多八景にまつわる女性たちの人生を交錯させながら物語がつづられております。この博多八景について説明をしてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) お尋ねの博多八景につきましては、歴史的に2つの事例がございます。1つ目は、14世紀前半、鎌倉時代の末期に聖福寺の僧が中国北宋の時代の洞庭湖周辺の景色を漢詩で詠んだ瀟湘八景に倣い、博多湾周辺の香椎、箱崎、志賀、野古など8つの風景を博多八景として詠んだものでございます。これは日本で最初に詠まれた八景であると言われておりますが、当時、一般に広がることはございませんでした。2つ目は、18世紀中ごろ、江戸時代中期に博多の地理や歴史をまとめました石城誌という書物の中で、博多八景として箱崎、奈多、名島、竃山などが挙げられております。江戸時代の博多八景は、太宰府周辺の景色も含まれているのが特徴で、種々の八景と題する漢詩や絵画がつくられ、当時の人々に広く普及したようでございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 鎌倉時代と江戸時代の2つの八景があるようです。今でもなじみのある香椎、箱崎、名島、奈多など、どのような風景だったのか興味が湧いてまいります。
答弁にありましたように、この博多八景とは日本で最初に八景を詠んだものだということであります。それにもかかわらず、今では博多八景という言葉はほとんど聞かれなくなり、むしろ富士八景、近江八景、金沢八景などが有名であります。博多八景が聞かれなくなった理由について教えてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 博多八景が聞かれなくなった理由でございますが、平成14年に福岡市博物館で開催された企画展、博多八景展の解説を参考にお答えをさせていただきますが、博多八景は、江戸時代において広く普及したものの、明治以降においては新しい観光名所として博多駅や博多港、九州大学などの近代的建築物とその風景が福岡百景などと称して宣伝されるようになり、博多八景という言い方を耳にすることがなくなったということでございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 江戸時代に人々に広く普及した博多八景が今ではほとんど聞かれなくなったというのは、本当に寂しい限りであります。時代が移り、当時の景観はなくなっているとは思いますが、地域の貴重な資源、お宝として大事に生かしてほしいものであります。
横浜市は、金沢八景を大事にしております。金沢八景は安藤広重によって広く世に知られるようになりました。江戸時代より人気のあった金沢八景も、当時の面影はほとんど消え、場所の特定も難しい状況でありました。平成20年に横浜市金沢区の区制60周年を記念して、区内の小中学校や高校などで投票を行い、新金沢八景を選定しております。本市も、新博多八景として市民参加で取り組んではどうかと考えます。
全国には、商工会議所などが実施しているご当地検定と呼ばれるものがあります。調べてみると、北海道の函館歴史文化観光検定、あおもり検定、加賀ふるさと検定、鎌倉検定、京都・観光文化検定、宮島検定、近いところでは唐津検定など、さまざまなものがあるようであります。本市にも福岡検定と言われるものがありますが、その目的について聞かせてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡検定の目的でございますが、福岡検定は、多くの市民に福岡の歴史的価値や観光資源のすばらしさを再発見していただき、福岡市民一人一人が福岡市の魅力を発信する担い手となっていただくことで、福岡市民のおもてなしの心の醸成と向上を図ることを目的といたしております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 福岡検定を通して福岡のことをもっと好きになってもらいたいということですが、非常におもしろい、意味のある検定だというふうに思います。
平成28年1月までで3回実施されたと聞いておりますけれども、受験者と合格者の延べ人数を教えてください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡検定の第1回から第3回までの受験者数と合格者数でございますが、受験者数は延べ4,068名、合格者数は延べ1,808名となっております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 直近の28年1月に実施された検定の合格率を調べてみました。初級の合格率が50.6%、中級の合格率が17.1%、28年から開始された上級は合格率2%とかなりハードルが高かったようです。合格者だけではなく、受験した方たちは、福岡に関する文化や歴史などの興味や知識が深い方だと思います。全国の自治体では、地域に眠っている資源を宝の山であるとして掘り起こし、あの手この手で磨き上げ、地域の活性化に結びつけていこうとしております。
福岡検定の公式ガイドブックである福岡博覧というのがあります。これを読み込みますと、まさに福岡の宝にあふれております。福岡検定の4,000名を超える受験者はまさに福岡通であります。合格者にはおもてなしマイスターの称号が贈られているようですが、この方たちに福岡の魅力を掘り起こしてもらうような機会や活躍の場を提供するなどしていただきたいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 議員御指摘のとおり、福岡検定の受験者の皆さん方に福岡の魅力発信などで活躍していただく取り組みは大変重要であると考えております。このため、日ごろ観光客や市民に接する機会の多い観光案内ボランティアの方々や観光サービス業を初めとした地元企業等の方々に福岡検定受験を通じて福岡の魅力への理解を深め、その発信の役割を担っていただくよう、これらの方々に対する受験の紹介や団体受験の働きかけに取り組んでいるところでございます。
今後とも、福岡市民のおもてなしの心の醸成と向上に向けまして、多くの方々に受験していただけるよう、福岡検定の広報、周知に努めるとともに、議員御指摘の受験者や合格者に活躍していただく機会の充実につきましても検討してまいります。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 先ほど紹介をしました葉室麟氏の「千鳥舞う」には、もう一つ興味深いところがあります。博多八景のびょうぶ絵を描くよう依頼した豪商亀屋藤兵衛は、京都の西陣織などに比べ販路の広がりがなかった博多帯を江戸でも売りたいと考え、江戸堺町の歌舞伎で人気を博していた七代目市川團十郎に目をつけ、博多帯を舞台でしゃべるよう頼んだということであります。團十郎は、「おぬしたちも博多を締めるなら、このごろ筑前のお屋敷に博多の藤兵衛という人が来ているから買って締めるがいい」とセリフにし、このため博多織は爆発的に売れるようになったと書かれております。
最近、福岡の伝統産業である博多織や博多人形については、ピーク時から比べると売り上げが激減するなど、厳しい状況が続いております。今紹介したようなエピソードも参考に、精力的に掘り起こしや磨き上げを行い、伝統産業復活の起爆剤にしていただきますよう強く求めておきます。
話をもとに戻し、質問を進めていきたいと思います。文化芸術の振興については、国の流れが本当に大きく今変わっていこうとしているように思います。
政府は、2020年の東京大会以降についても、明確に見据えているようです。文部科学省が2020年以降に期待される効果についてどのように示しているのか、お聞かせください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) お尋ねの文化芸術の振興に関して期待される効果につきましては、文部科学省が平成27年4月に発表しましたオリンピック・パラリンピックレガシー創出に向けた文部科学省の考えと取組によりますと、2020年以降に期待される効果として4点が示されているところでございます。
まず、さまざまな価値観を受け入れつつ独自の文化を形成した日本が、文化芸術の多様な役割を提示することによる積極的な国際貢献、次に、自国や地域に関心と誇りを持つ国民の増加、さらに文化資源を観光や地場産業に生かし、雇用創出や経済振興を図る地域活力の創出、そして、日本の文化を求めて訪日する外国人の増加でございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 政府は、2020年の東京大会を契機に五輪後のはるかかなたまで視野に入れております。これからの文化振興は大きなビジョンと長期的な戦略を持って進めていかなければなりません。横浜市は、平成22年に文化芸術、創造都市、まちづくり、観光MICEのそれぞれの取り組みを進化させ、成長を牽引する成長戦略の一つとして観光創造都市戦略を打ち出しております。
本市は、文化芸術がもたらす効果をどのように考え、都市戦略としてどのように位置づけていくのか、お答えください。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 文化芸術の都市戦略上の位置づけに関するお尋ねでございますが、文化芸術の効果といたしましては、心豊かな市民生活の実現や市民の創造的な活動の活性化に寄与しますとともに、文化芸術活動を通じて創出されましたまちのにぎわいは、観光集客産業の振興に対しまして、また、まちの持つ文化創造的な風土や人の交流は、クリエイティブ産業などの振興に対して大変大きな効果を持つものと考えております。
こうした文化芸術の活用による経済の活性化は、第3次産業が多くを占めます福岡市の産業特性や長い歴史と文化を有するまちの特性にも合ったものでございます。文化芸術を通じて得られた経済の活力は、都市の成長をもたらすとともに、市民の文化芸術環境を充実させ、市民の生活の質の向上にもつながるものであり、本市の都市経営の基本戦略に合致した大変重要な戦略の一つであるというふうに認識をいたしております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 21世紀に入り、地方自治体の文化行政やそれらを取り巻く環境は目まぐるしく変化をしてきました。特に2001年に施行された文化芸術振興基本法は、地方公共団体の文化芸術の振興に関する責務が明記され、それ以降、文化振興の条例の制定や文化振興ビジョン策定の動きが広がってきました。近年、東日本大震災の復興を通して、文化芸術が災害復興、地域活性化など文化以外の領域においてさまざまなインパクトをもたらすことが注目されるようになってきました。まさに都市に新たなる活力やエネルギーを与え続ける存在が文化芸術であります。
文化芸術を地域に対してどう開いていくか、また、観光政策とどう結びつけていくかなど、文化芸術の新しい価値を高めていくといった視点が求められてきております。文化芸術を都市戦略として位置づけていくためには条例の制定が必要と思いますが、所見をお伺いします。

◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

◯経済観光文化局長(重光知明) 文化振興条例の制定の御提案でございますが、先ほども答弁いたしましたとおり、現在、福岡市文化芸術振興ビジョンにつきまして、平成30年度を目途に改定を検討しているところでございますので、その過程におきまして他都市の状況なども踏まえながら、条例制定の必要性等につきまして検討してまいります。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 本市は、平成32年3月に市の美術館がリニューアルオープンし、平成35年には市民会館の建てかえによる拠点文化施設の開館を控えており、文化芸術の振興にとって大事な時期を迎えています。文化芸術の創造性をさまざまな場面で生かしながら、福岡らしい特色ある、そして魅力あふれる文化芸術を国内外に発信していっていただきたいと思います。
最後に、高島市長に文化芸術を生かしたまちづくりについてお伺いして、この質問を終わります。

◯副議長(石田正明) 高島市長。

◯市長(高島宗一郎) 文化芸術は、市民一人一人の心豊かな生活の礎となって、人々の創造性を育むだけではなくて、魅力ある都市づくりや都市の個性を形成する上でも大変重要であるというふうに考えております。
このため、第9次基本計画におきましても、心豊かな文化芸術を楽しむまちづくりや創造活動の基盤となる文化芸術の振興に加えて、観光資源となる魅力の再発見と磨き上げを掲げ、これまでも美術館、博物館、アジア美術館や博多座など、文化芸術の拠点となる施設のリニューアル、そして福岡城址、鴻臚館を初めとする歴史資源の復元整備や活用の推進、クリエイティブな交流の舞台であるアジアンパーティの充実など、ハード、ソフト両面にわたって文化芸術を生かしたまちづくりに積極的に取り組んでまいりました。
国におきましても、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、日本の芸術、歴史、伝統などを生かした文化プログラムを全国で展開する方針を打ち出しております。また、その前年にはラグビーワールドカップ2019が、オリンピックの翌年にはここ福岡市で2021年世界水泳選手権が開催をされます。
福岡市といたしましても、この機会を捉えて、福岡らしい文化芸術のプログラムを展開して、国内外に向けて積極的に情報発信に努めますとともに、本日、黒子議員からいただきました御提案も踏まえて、文化・文化財部門と経済・観光部門との緊密な連携のもと、さらなる文化芸術を生かしたまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 次に、おいしい水プロジェクトの推進、特に貯水槽水道の適正管理について質問をいたします。
日本の水道水は、来日した外国人にも、おいしい、濁りがなくきれいなどと高い評価を受けています。世界を見渡しても、蛇口をひねってそのまま水が飲める国はそう多くありません。4年後の東京オリンピック・パラリンピックでも、ぜひ多くの訪日客に日本のおいしい水道水を味わってもらいたいと思います。
先日、第3委員会の視察で富山市を訪ねる機会がありました。まちの中には花がたくさんあり、緑が多いことと、水道水がおいしいことが印象的でした。富山市上下水道局が販売するペットボトル入り水道水、とやまの水は、2012年にモンドセレクションで金賞を受賞し、2013年は最高金賞を受賞、さらに2014年、2015年と3年連続で最高金賞を受賞した驚きの水道水だったのであります。
本市の水道局は、平成25年3月に安全でおいしい水道水プロジェクト推進委員会を立ち上げ、おいしい水づくりを目指しております。福岡市は全国一マンションなど集合住宅が多い都市ですから、貯水槽水道の解決なくしておいしい水問題の解決はあり得ないと思います。
そこで、貯水槽水道の適正管理について質問を進めていきます。
まず、水道法では貯水槽水道についてどのように定義されているのか、お答えください。また、本市全体の給水件数と貯水槽水道の給水件数について示してください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 最初に、水道法での貯水槽水道の定義についてでございますが、これはビル、マンションなどの建物において、水道水を貯水槽に受けた後、利用者に給水するまでの一連の施設とされてございます。さらに、このうち貯水槽の有効容量が10立方メートル、すなわち10トンを超えるものを簡易専用水道と定義しております。以上です。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 福岡市全体の給水契約戸数につきましては、平成27年度末で約83万6,000戸であり、このうち貯水槽水道の給水契約戸数は約42万9,000戸でございます。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 本市の平成27年度末における給水件数は約83万6,000戸、そのうち約51%の42万9,000戸が貯水槽を経由した水道水を利用しております。一概に貯水槽といっても、容量が10トンを超えるものを簡易専用水道、容量が10トン以下のものは水道法上の定義はないようですが、水道局では小規模貯水槽と呼んでいるようであります。
質問を進めるに当たってわかりやすくするために、10トンを超える貯水槽と10トン以下の貯水槽という表現で質問をしてまいります。
本市の平成27年度末の10トンを超える貯水槽と10トン以下の貯水槽の設置数及び比率を示してください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 平成27年度末の貯水槽の設置数でございますが、10トンを超えるものが全体の17%に当たる4,460件、10トン以下のものが全体の83%に当たる2万2,627件でございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 平成14年に水道法が改正されておりますけれども、法改正以降の貯水槽の設置者に対する本市のかかわり方について聞かせてください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 平成14年の水道法改正により、水道事業者が給水契約者の立場から貯水槽の設置者に適正な管理の指導、助言及び勧告を行うようになったことに伴い、平成14年12月に福岡市水道給水条例を改正しております。その後、保健福祉局と連携を図りながら、適正管理について啓発資料を送付するとともに、現地調査による指導、助言を行っております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 私どものほうでお答えします。
平成14年の水道法改正以降も、衛生管理の面では、それまでと同様に、保健所が10トンを超える貯水槽の設置者に対しまして、水道法に規定されている1年に1回の法定検査の受検や清掃の実施など施設の適切な管理について指導を行っているところでございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 今の答弁でわかるように、10トンを超える貯水槽は保健福祉局が、10トン以下の貯水槽は水道局がかかわってきたというか、担当のようであります。
10トンを超える貯水槽の設置者には、1年に1回法定検査の受検や清掃が義務づけられているということでありますけれども、法定検査の内容について示してください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 法定検査の主な内容でございます。まず、外観検査として貯水槽の亀裂や漏水の有無などを確認します。次に、水質検査として水道水の色、味、残留塩素などを確認いたします。さらに、書類検査として貯水槽の清掃記録などを確認してございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 法律で義務づけられているわけですから、当然法定検査は受検していると思いますけれども、本市の過去5年間の受検率の推移はどのようになっているのか、示してください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) お尋ねの法定検査受検率の過去5年分でございますが、平成23年度が88.9%、24年度が87.8%、25年度が90.7%、26年度が92.2%、27年度が92.3%でございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 徐々に上がってはきているようですけれども、法律で義務づけられているにもかかわらず、受検率が27年度で92.3%というのは、私は問題だと思います。
先ほどの答弁で、本市の10トンを超える貯水槽の数は4,460件ということでしたから、300件を超える貯水槽が点検を受けていないということになります。中には法定検査を長期間受検していない未受検施設もあると思います。5年以上受検していない施設数とその施設に対してどのような指導をされているのか、お聞かせください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 平成27年度において、法定検査を5年以上受検していない施設は127施設ございます。これらの施設に対しては、保健所が立入検査などを行うことにより受検を強く指導しているところでございます。
今後とも、立入検査や文書による指導を繰り返し行いますとともに、再三の指導にも従わない、特に悪質な事例に対しましては、告発も視野に入れて厳しく対処したいと考えてございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 5年以上も受検をしていない貯水槽があることは驚きであります。これはもう常習犯であり、確信犯です。仮に自分が住んでいるマンションの貯水槽の点検や清掃が5年間も行われていないことを知れば、安心して水が飲めるでしょうか。管理が不十分な場合、ごみや異物の混入、さびの発生などにより汚れた水になるおそれがあります。マンションなど集合住宅にお住まいの方からは、自分たちが住んでいる貯水槽の適正管理について余り情報が伝わってこないとの声を聞くことがあります。法定検査の結果が良好な施設もあると思いますが、マンションなど集合住宅にお住まいの方に法定検査の結果をどのような形で知らせているのか、お答えください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 法定検査の結果でございますが、貯水槽の設置者に対して検査実施機関から検査結果書が交付されており、マンションなどの集合住宅の場合には、一般的に管理組合の総会などを通じてお住まいの方に周知されているものと考えてございます。
なお、検査実施機関の多くは、検査済みを示すシールを交付しており、これを貯水槽に張るなどにより検査の受検状況を外観からわかるようにしていると聞いてございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 貯水槽に貼付されたシールを確認することで受検状況がわかるということですが、ほとんどの貯水槽はふだん余り住民の目に触れることがない屋上などに設置をされております。横浜市は、管理状況の検査の結果が良好な施設には、横浜市と協定を結んだ登録検査機関から給水管理適合施設表示マーク及び表示期限シールを交付しております。受水槽等給水管理適合施設表示制度と言うようであります。
適合施設表示マークは、利用者や使用者などに管理状況が良好であるとわかるように、建物のエントランスなどに掲示していただけるようになっているということでありました。本市も良好な法定検査の結果が建物のエントランスなどに掲示ができるよう、検査機関を促し、建物の住民や利用者に管理状況が良好であることを周知すべきと思いますが、所見を伺います。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 貯水槽の管理状況が良好であることをわかりやすく示すということでございますが、これは水道水への安心感が高まるといった点や施設の管理に関心を持っていただくといった点で十分意義のあることだと考えます。表示制度につきましては横浜市の取り組みなども参考にしまして、手法、効果などを検討したいと考えてございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) ここから10トン以下の貯水槽についてお聞きをします。
先ほどの答弁では、10トン以下の貯水槽については水道局が現地調査などを行っているということですが、法的な義務づけがないことから、指導、助言といってもかなり掌握は難しいと思いますが、現状についてお聞かせください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 10トン以下の貯水槽につきましては管理の実態が把握されていなかったことから、水道局では平成20年度から平成27年度までの8年間で、公共施設などを除く1万8,600件を対象に、保健福祉局と連携を図りながら適正管理に関する啓発や現地調査を行ってまいりました。そのうち、直結給水への切りかえや貯水槽が廃止された施設4,119件及び調査の協力が得られなかった施設2,596件を除く1万1,885件の管理状況を把握しております。
その施設の管理状況につきましては、良好に管理されていた施設が8,908件、約75%、定期的な清掃が実施されていない施設が2,305件、約19%、設備の改善が必要な施設が191件、約2%、残留塩素が不足している施設が481件、約4%という結果になっております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 先ほどの答弁では、本市の貯水槽の設置件数は2万7,087件、そのうち10トンを超える貯水槽は17%に当たる4,460件、そして10トン以下の貯水槽が83%に当たる2万2,627件ということですから、定期的な清掃や検査など法的な義務づけがない10トン以下の貯水槽が圧倒的に多いことがわかります。
今の答弁によると、10トン以下の貯水槽については、平成20年から27年度まで8年間かけて調査を行い、対象の1万8,600件のうち、現地調査の協力が得られたのは1万1,885件、そのうち良好な貯水槽は8,908件ということですから、2,977件の貯水槽は何らかの問題があるということになります。それらの設置者にはどのような指導をされているのか、お答えください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 貯水槽に問題がある施設の設置者に対する指導についてでございますが、まず、定期的な清掃が実施されていない施設につきましては、望ましい管理方法を手引きによりアドバイスしております。次に、貯水槽のマンホールの破損などにより雨水などが流入し、水質の悪化を招くおそれがあるような施設につきましては、補修や取りかえの指導を行っております。そして、残留塩素が不足している施設につきましては、直ちに飲用しないよう周知してもらうとともに、速やかに貯水槽内の水を入れかえるよう指導しております。また、残留塩素が保てる方法をアドバイスするとともに、衛生行政を所管しております保健福祉局へ報告を行っております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) さらに問題なのは、現地調査の協力が得られない貯水槽であります。調査の協力が得られた貯水槽でも、残留塩素の不足や何らかの改善が必要な貯水槽が2,977件あるということからすると、協力が得られない2,596件の貯水槽の管理状況は、さらに厳しいのではないかと予想ができます。水道局も一生懸命取り組んでいることはわかりますが、限界も感じているのではないかと思います。10トン以下の貯水槽については、もう少し細分化して、管理台帳を整備してはと思いますが、現状はどのような台帳整備を行っているのか、お答えください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 10トン以下の貯水槽の管理につきましては、小規模貯水槽管理システムを導入し、所有者や管理者の住所、氏名などの情報、共同住宅や事務所などの建物の利用形態、貯水槽の構造や材質、容量などの諸元を管理するとともに、過去の啓発資料の送付状況や現地調査の有無などを記録しております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 管理システムをさらに充実させ、長年現地調査の協力が得られないような貯水槽設置者には、保健福祉局と連携をして公表するなどの対応も断固としてやっていただきたいと指摘をしておきます。
貯水槽と一口でいっても、容量、素材、貯水槽内の水の回転率など状態はさまざまであります。10トン以下の貯水槽については法定義務がなく、努力義務ですから、的確なアドバイスや丁寧な説明が必要となります。そのようなことから、以前の質問において、東京都の例を示しながらモデル貯水槽を活用しての実験を提案していました。本市が実施したモデル貯水槽における実験の内容とその結果から見えてきたもの、成果について聞かせてください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) モデル貯水槽を利用した実験につきましては、東京都と同様に、日照による水温の上昇や水の滞留時間が及ぼす塩素消費量への影響を分析しております。その結果、水の滞留時間が塩素消費量に大きく影響することが判明し、さらに、よりよい水質を保つためには貯水槽内の水の滞留時間を1日以内にすることが効果的であるという結論に至っております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 実験の結果から、貯水槽内での水の滞留時間が残留塩素の消費に大きく影響を与えることなどがわかってきたということですが、そのような調査結果を踏まえ、貯水槽の設置者に対してどのような働きかけを行っているのか、具体的に聞かせてください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 設置者に対する働きかけにつきましては、貯水槽内の水の滞留時間を1日以内に抑える簡易な方法をまとめたリーフレットを作成し、市内全ての貯水槽設置者に送付しております。このうち、さらに1日の使用量と貯水槽の容量から滞留時間が1日を超えると特定できた約4,000件の共同住宅に対して、現地で滞留時間の調整方法についてアドバイスを行っております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 貯水槽の適正管理に向けて、よりきめ細やかな情報が貯水槽設置者に伝わるよう、今後ともさらに努めていただきたいと思います。
先ほど10トンを超える貯水槽については、保健福祉局長が横浜市で実施している表示制度を参考にしながら、手法、効果を検討し、登録検査機関との協議を検討していくとの答弁がありましたけれども、10トン以下の貯水槽についても、保健福祉局と連携して検討するよう求めておきます。
水道局が進めているおいしい水道水プロジェクトの目指すべき3つの目標についてお答えください。

◯副議長(石田正明) 清森水道事業管理者。

◯水道事業管理者(清森俊彦) 安全でおいしい水道水プロジェクトにおきましては、お客様に安全で良質な水道水をお使いいただけるよう、まず、安全でおいしい水道水をつくる、次に、安全でおいしい水道水をそのまま蛇口まで届ける、さらに水道水のよさを積極的にPRし、お客様のニーズを把握するの3つの目標を掲げております。以上でございます。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 目指すべき3つの目標の2つ目に、安全でおいしい水道水をそのまま蛇口まで届けるとあります。にもかかわらず貯水槽の管理が不十分な場合、その施設の住民にはおいしい水が届いていないことになります。貯水槽の適正管理については保健福祉局と水道局の連携を一段と強めていただきたいと思います。
しかしながら、これまでの質問でわかるように、10トンを超えるか超えないかで明確な違いがあるわけです。そのような中、東京都は10トン以下の貯水槽についても、条例により衛生上の措置を義務づけていると聞いております。東京都の取り組みについてお聞かせください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 東京都の場合ですが、平成14年に東京都小規模貯水槽水道等における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例を制定されてございまして、特別区や八王子市などを除く市町村区域を対象として、5トンを超える貯水槽水道の全てと、5トン以下の貯水槽水道については、学校、病院、社会福祉施設など特定の施設に係るものに対して、届け出や清掃などを義務づけてございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 東京都は、水道行政を担う水道局ではなく、保健福祉局が東京都小規模貯水槽水道等における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例というように衛生的な飲料水の確保という観点から条例を定めております。
政令市では、横浜市が8トンを超える貯水槽の設置者に対して年1回の検査を求めております。横浜市は条例を制定しておりますけれども、条例制定に至った背景について聞かせてください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 横浜市の場合でございますが、不適切な管理により小規模な貯水槽の一部で飲料水の衛生確保に問題がある事例が発生したため条例が制定されたというふうに聞いてございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 横浜市は、8トンを超える貯水槽について、衛生的な飲料水の確保に関する条例として平成3年12月25日に制定しているとのことであります。本市においても、貯水槽の適正管理を実効性あるものとするには条例の制定が必要ではないかと思います。
東京都は、10トン以下の貯水槽のうち、学校、病院、社会福祉施設等の施設に水を供給するものは特定小規模貯水槽として条例で衛生上の措置を義務づけております。本市も東京都の制度を参考にして、条例により衛生上の措置を義務づけることを検討してはと思いますが、お答えください。

◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

◯保健福祉局長(野見山 勤) 現在、福岡市内の病院などに設置された10トン以下の貯水槽につきましても、こういった施設は保健所が定期的に行っている立入指導などの中で、施設が適切に管理されていることを確認しているところでございます。
しかしながら、このような現行の立入指導は任意でございますことから、これらの施設に対する貯水槽の指導のあり方につきましては、御指摘の条例化の必要性も含めて検討してまいりたいと考えてございます。以上です。

◯副議長(石田正明) 黒子秀勇樹議員。

◯32番(黒子秀勇樹) 保健福祉局長から条例制定に向けて前向きな答弁をいただきました。そこで、まず第一歩として、10トン以下の貯水槽であっても、8トンを超える貯水槽で、学校、病院、社会福祉施設等の施設については1年1回の点検並びに清掃を条例で定めてはどうかと思います。これまで貯水槽の管理については、保健福祉局と水道局が連携を図りながら努力してきたことは認めますが、10トンを超えるか超えないかで明確な線が引かれておりました。
そこで、8トンを超え10トン以下の貯水槽の適正管理について条例で定めることによって、これまで以上に、より適正な管理が進むものと思われます。
最後に、安全でおいしい水道水プロジェクトを推進している水道事業管理者の決意をお伺いして、質問を終わります。