令和元年度決算特別委員会 総会質疑 (後半)

令和元年度決算特別委員会 総会質疑(後半)

公明党福岡市議団 黒子秀勇樹

 

私は、公明党福岡市議団を代表して、平成30年度決算概要ならびに公営企業の経営戦略について質問をいたします。

 

  1. 先日、総務省が地方自治体の平成30年度決算を公表しました。地方財政健全化法に基づく各指標は改善し、地方公営企業の総収支も黒字幅が拡大するなど、景気回復などの恩恵が及んでいるようです。そこで、本市の平成30年度決算のポイントを説明してください。

 

(財政局)

・30年度決算見込みについては、一般会計及び15の特別会計の実質収支が黒字または収支均衡となっており、全会計ベースの市債残高についても前年度と比較して縮減している。

 

 

  1. 本市の財政構造の特徴は、かつての集中的に社会資本整備を進めたことにより、多くの資産が形成された反面、多額の市債残高を抱え財政の硬直化が懸念されています。財政指標を分析し、他の政令市と比較しながら、財政構造の弾力性および行政水準の確保という視点から、本市の特徴を示してください。

 

(財政局)

・本市の30年度の経常収支比率は91.9%で、政令指定都市の中で良い方から4番目となっており、比較的良好ではあるが、財政構造の弾力性の拡大に向けて、引き続き健全な財政運営に取り組んでいく。

・本市の30年度の財政力指数は0.889で、政令指定都市の中で良い方から10番目となっており中位にあるが、今後も市民生活に必要な行政サービスの確保及び生活の質の向上に向け、財源確保に努めていく。

 

 

  1. それでは地方公共団体の財政健全性を示す4つの指標いわゆる健全化判断比率を使って本市財政を分析してください。

 

(財政局)

・30年度の実質赤字比率及び連結実質赤字比率については、赤字が生じておらず、いずれの比率も発生していない。

・30年度の実質公債費比率は11.0%、将来負担比率は123.2%となっており、早期健全化基準を下回っている。また、近年の健全な財政運営の取組みの結果、いずれの指標も前年度より低下している。

・これらの2つの指標は、政令指定都市の中で高い方の水準にあるが、その要因として、本市は立ち遅れていた社会資本の整備を近年進めており、新しく資産形成がなされた結果であると認識している。

 

 

  1. いずれの指標についても“問題はない”ということですが、実質公債費比率は起債に国の許可が必要とされる18%を下回ってはいますが、11.0%となっています。将来負担比率についても2%と、いずれも政令市の中では高い位置にあり、これからも市債残高の縮減に取り組んでいかなければなりません。本市の30年度市債残高とその内訳を示してください。

 

(財政局)

・30年度末の全会計ベースの市債残高は、満期一括積立金を除くと約2兆771億円で、その内訳は一般会計が約1兆1,862億円、特別会計が約1,814億円、企業会計が約7,095億円である。

 

 

  1. 全会計の市債残高が約2兆771億円で公営企業会計の市債残高が約7,095億円ですから、市債残高の約3分の1が公営企業ということになります。それでは、公営企業の経営の健全性を示す指標である資金不足比率はどのようになっていますか。

 

(財政局)

・30年度においては、全ての公営企業会計において資金不足は生じておらず、資金不足比率は発生していない。

 

 

  1. すべての公営企業会計について、資金不足は生じていないということですが、地方公営企業については、平成26年に地方公営企業の会計基準の見直しがなされています。その見直しによって、一般的にどのような効果があるのか、お答えください。

 

(財政局)

・国によると,償却資産はすべて毎年度減価償却するなど,現在の資産価値を適切に表示するとともに,本来認識するのが適当な収益・費用を発生時点ですべて計上することにより,資産状況や損益構造がより明らかになるとされている。

 

 

  1.  会計基準の見直しによって資産状況や損益構造がより明らかになったにも拘らず、平成30年度の包括外部監査において、水道事業及び下水道事業の平成29年度の決算報告について監査人から指摘を受けています。指摘された内容について説明してください。

 

(道路下水道局)

・会計システムと管理資料等の金額が一致していないものがあるため,調査のうえ修正を行い,賃借対照表の正確性を確保する必要があるというもの。

 

(水道局)

・会計システムと管理資料等の金額が一致していないものがあるため,調査のうえ(修正を行い),貸借対照表の正確性を確保されたい,

・前受金として留保されたままになっているものがあるため,精算が必要な案件について,速やかに精算処理されたい,

・除却漏れとなっている固定資産について,速やかに除却手続きをされたい,

 というもの。

 

 

  1. 監査人からの指摘を受けて,今年の9月議会では,下水道事業及び水道事業の両会計あわせて約1億円の収入と約5億円の支出について,補正予算を組んで対応する事態となりました。

そもそも貸借対照表は,企業の財政状態を的確に表すものであり,その企業の可能性や信頼性を判断するための重要な書類です。

道路下水道局と水道局は,事態を重く受け止めて,しっかり反省してほしいと思いますが,再発防止に向けた今後の取り組みについてお伺いします。

 

(道路下水道局)

企業会計に係る事務処理マニュアルの見直し等によりチェック体制を強化 するとともに,内部研修の充実や外部研修等への派遣など積極的に人材育成を図る。

チェックに必要な集計表や一覧表が確認,抽出できるよう会計システムの改修を行う。

 

(水道局)

・企業会計に係る事務処理マニュアルの見直し等によりチェック体制を強化 するとともに,内部研修の充実や外部研修等への派遣など積極的に人材育成を図る。

・また,チェックに必要な集計表や一覧表が確認,抽出できるよう会計システムの改修を行う。

 

 

  1. 各企業会計の取り組みも当然必要でありますが,問題の重要性を考えると,それだけでは足りないと思います。全市的な視点からチェックする体制が必要だと思いますが,財政局の所見をお伺いします。

 

(財政局)

・本市では平成28年度決算から統一的な基準に基づく財務書類を作成しており,企業会計を含めた連結ベースでの財務書類4表についても作成・公表している。

・再発防止に向けては,答弁があったとおり,各企業会計でチェック体制の強化を含め対応がなされると思うが,より一層の正確性の確保に向けて,企業会計等と連携しながら対応を検討したい。

 

 

  1.  政府は、平成27年6月に「地方財政をめぐる厳しい状況を踏まえ、公営企業については経営戦略の策定を通じ、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図る」ことを閣議決定しています。

公営企業の経営戦略について、まず、水道事業についてお尋ねしていきます。

昭和40年代から集中的に整備してきた本市の膨大な水道施設は、間もなく一斉に更新時期を迎え、再構築の時代に入っていきます。

本市は水道事業の目指すべき将来像及びその実現の方向性について、どのように定めているのかお示しください。

 

(水道局)

・平成29年2月に,令和10年度までの12年間を計画期間として,「福岡市水道長期ビジョン2028」を策定。

・また,水道長期ビジョンを踏まえ,4年間で取り組むべき事業計画や財政収支計画を定めた「福岡市水道中期経営計画」についても策定。

 

 

  1.  水道事業を取り巻く経営環境は、ますます厳しさを増してきており、大きな転換点を迎えています。本市の水道事業の経営状況について、平成30年度の料金収入、損益および経常収支比率を示し,経営状況をお聞かせ下さい。

 

(水道局)

・料金収入は約319億円

・損益は,約71億円の黒字

・経常収支比率は124.5%

・料金収入・損益とも中期経営計画を上回っており,経営状況は良好。

 

 

  1.  水道事業は中長期的な視点を持って経営に取り組んでいかなければなりません。改めて料金収入等の長期的なトレンドをお尋ねします。

料金収入については、ピーク時から現在に至るまで、どのような状況で推移しているのか、その間の損益の状況とあわせて説明してください。

 

(水道局)

・料金収入のピークは,平成12年度で約337憶円。

・その後は減少傾向が続き,平成26年度は約305憶円まで減少したが,近年は回復傾向。

・損益は,平成14年度の約9億円を下限に,その後は改善傾向。

 

 

  1. 【パネル】料金収入(青)のピークは、平成12年で約337億円でしたが、その後、減少傾向で推移し、近年は回復傾向にあり、30年度決算では約319億円となっていますが、ピーク時より約18億円減少しています。

損益(黄色)については、料金収入がピークの平成12年は約30億円でしたが、14年度は約9億円まで落ち込んでいます。26年度から会計基準が変わっているため単純に比較はできませんが、30年度の損益は約71億円となっています。料金収入は減少していますが、損益はここ数年過去最高を記録しています。その要因についてお答えください。

 

(水道局)

・効率的な維持管理などの経費節減に取り組むとともに,企業債残高の縮減による,支払い利息の低減に努めた。

 

 

  1.  経費節減,企業債残高の縮減などの取組みによって損益が改善したということのようです。それでは,水道事業の経営状況を判断するにあたって大事な指標である給水原価と供給単価はどのようになっていますか。平成30年度と5年前を比較してお答えください。

 

(水道局)

・給水原価は,H26年度 199.2円

        H30年度 170.7円

 

・供給単価は,H26年度 218.1円

H30年度 219.3円

 

 

  1.  給水原価は随分下がってきています。一方、供給単価はほぼ横ばいです。供給単価を給水原価で除する(割る)と、料金回収率が分かります。この料金回収率について説明してください。

(水道局)

・料金回収率とは,供給単価の給水原価に対する割合であり,水道事業の健全性を示す指標の1つ。

・本市の料金回収率は,H26年度 109.5%

H30年度 128.5%

・本市の給水原価については,経費節減の効果や企業債縮減による支払利息の減少などにより,着実に低下している。

・一方,供給単価については,218円から219円台で安定して推移している。

・給水原価を上回る供給単価を維持し,着実に利益を確保することにより,水道施設・設備の更新などの建設改良費等の財源を確保するとともに,企業債残高の縮減を図ることができる。

 

 

  1.  水道局の立場で捉えるとそういうことになるのかもしれませんが、私は少し違う捉え方をしています。

料金回収率については、後ほど議論することにして先に進めます。

企業債残高については着実に利益を確保することで縮減を図っているとのことですが、それでは、平成30年度末の企業債残高はいくらになっていますか。また、企業債残高のピークの時期と金額についても教えてください。

 

(水道局)

・平成30年度の企業債残高は約1,120億円

・企業債残高のピークは平成12年度で約1,674億円

 

 

  1. 【パネル】企業債残高(赤)のピークは料金収入のピークと同じ12年度で、約1,674億円となっています。

平成30年度の企業債残高が約1,120億円ですから、ピーク時と比較すると約554億円縮減したことになります。しかしながら約1,120億円という企業債残高は、料金収入約319億円の約3,5倍に当たります。

企業債残高が料金収入の約3,5倍というのは、非常に厳しい状況にあると考えますが、他の政令市などと比較しながら所見を聞かせてください。

 

(水道局)

・他の大都市(千葉・相模原を除く政令市17都市及び東京都)の平成30年度における給水収益に対する企業債残高の割合は1.9倍となっている。

・本市の平成30年度の給水収益に対する企業債残高の割合は3.5倍だが,平成12年度の5.0倍と比較すると着実に縮減を進めている。

・引き続き,企業債残高の縮減を図っていく必要があると考えている。

 

 

  1.  政令市や大都市の企業債残高の平均は、料金収入の9倍であり、本市の企業債残高を、他の政令市や大都市並みの1.9倍まで下げるためには、約514億円の縮減が必要となりますから大変な状況であります。

水道長期ビジョン2028の企業債残高の見通しについて示してください。

 

(水道局)

・水道長期ビジョン2028においては,着実に企業債残高の縮減を図り,令和10年度末においては1千億円を下回り,約985億円となる見通し。

 

 

  1.  長期ビジョンでは起業債残高は1千億円を下回るということですがさらなる縮減に取り組まなければなりません。

それでは、水道長期ビジョンにおける収益的収支の見通しを聞かせてください。

 

(水道局)

・水道長期ビジョン2028においては,収入・支出とも概ね横ばいで推移し,単年度利益を40~50億円程度,安定的に確保できる見通し。

 

 

  1.  福岡市の人口は増加が続いており、近いうちに160万を超えそうです。

しかしながら、人口が増えても水需要の増加には結びついていないようで、今後の料金収入の大幅な伸びは期待できません。一方で、これまで整備を進めてきた水道施設の大量更新時期を迎えていきます。

私は、平成27年3月条例予算特別委員会において、新しい長期ビジョンや中期経営計画の策定に当たっては、専門家から成る委員会を設置し、水道事業ガイドラインに基づく数値など、データを積み上げ、水道事業の「見える化」を目指すべきであると指摘していました。長期ビジョンや中期経営計画の策定に当たってどのように反映されたのかお答え下さい。

 

(水道局)

・「福岡市水道長期ビジョン2028」の策定にあたっては,学識者や公認会計士,市民委員などからなる懇話会を設置。

・本市水道事業の現状を踏まえたうえで,今後の目指すべき方向性などについてご意見をいただいた。

・長期ビジョン2028の策定にあたっては,水道事業ガイドラインの指標を参考にしながら各種施策の成果指標を設定するなど,市民にわかりやすく説明できるよう工夫。

 

 

  1.  長期ビジョンの見通しによると、料金収入の伸びが見込めない中、収益を確保し、企業債残高の縮減を図るということですから、老朽化が進む施設の更新需要に適切に対応して行かねばなりません。特に4,000㎞にも及ぶ配水管については計画的かつ効率的な更新が必要です。

水道長期ビジョンにおける配水管更新の整備見通しについて説明してください。

 

(水道局)

・市内全域において,道路を掘削して水道管の老朽度合いや土壌などの埋設環境の関連について調査・分析する管体調査を実施し,各々の管路の実質的な耐用年数を設定したうえで,効率的な更新を行っている。

・水道長期ビジョン2028では,更新延長を年間40㎞から45㎞にペースアップし,令和8年度までに実質的な耐用年数を超過した管路の更新を完了予定。

 

 

  1.  今後も,年間45㎞の更新を続けていくためには,多額の更新費用が必要ですが,水道長期ビジョンにおける建設改良費の見通しについて,どのように反映されたのかお答えください。

 

(水道局)

・水道施設の維持・更新にあたっては,中長期的な視点に立ち,施設の機能を適正に維持しつつ,投資の平準化やライフサイクルコストの縮減を考慮したアセットマネジメント手法を活用しながら効果的・効率的に進めていくこととしている。

・建設改良費全体としては,平成29年度から令和10年度までの12年間の年平均で約145億円の建設改良費を計上。

 

 

  1.  建設改良費は年平均で約145億円と,高い水準で推移していく見込みとのことですが,この建設改良費は給水原価に影響を及ぼします。

【パネル】供給単価(青)については26年度が218,1円。30年度が219,3円ですから、ほぼ横ばいです。一方、給水原価(赤)は26年度が199,2円。30年度が170,7円ですから、5年間で28,5円下がっています。

供給単価を給水原価で除する(割る)と料金回収率が分かります。

本市の料金回収率(緑)は、26年度が109,5%。30年度が128,5%。

他の大都市の平均が118,0%ですから、本市の料金回収率は他の大都市に比べると高いといえます。

給水原価を製造原価と考え、供給単価を販売価格と捉えれば、料金回収率は利益率という捉え方もできます。

つまり、本市の利益率は他の大都市と比べれば高いと言えます。

少なくとも長期ビジョン2028の最終年度(令和10年度)までは、料金を値上げすることはないと考えますが、所見を求めます。

 

(水道局)

・水道長期ビジョン2028においては,単年度利益を着実に確保することで,水道施設・設備の更新や企業債償還の財源を確保し,現行料金を維持しつつ,安定供給のため水道施設等を適切に維持管理していくこととしている。

 

 

  1.  本市は、市民の理解と協力を得ながら、他都市にはない節水型都市づくりを進めてきたという歴史があります。また,直結給水方式の推進や,貯水槽の適正管理の啓発など,「安全でおいしい水道水プロジェクト」などにも取り組んできました。

新しい時代の水道事業経営についても市民の理解と協力を得ながら進めていかなければなりません。

水道事業の最後に、水道事業の経営戦略について、管理者の見解と決意をお伺いします。

 

(水道局)

・これまで,効率的な維持管理などの経費節減に取り組むとともに,企業債残高の縮減等により支払利息の低減に努め,安定的な経営を維持してきた。

・水道は市民生活を支え,生活の質の向上と都市の成長を支える重要なライフラインであり,水道長期ビジョン2028の理念,目指すべき方向性にむけてしっかりと施策を推進し,市民に安全でおいしい水を供給するとともに,将来にわたり安定経営を維持していく。

 

 

  1.  次に、下水道事業の経営戦略についてお伺いしていきます。

水道事業より少し遅れて、昭和50年代前半から集中的に整備してきた本市の膨大な下水道施設についても,間もなく一斉に更新時期を迎え,再構築の時代に入っていきます。

まず,本市下水道事業の目指すべき将来像,その実現の方向性について,どのように定めているのか,お聞かせください。

 

(道路下水道局)

・下水道事業の現状・課題を客観的かつ的確に捉え,さらに社会経済情勢の変化や将来を見通したうえで,「下水道ビジョン2026」を策定し,「快適なくらしを守り,都市の魅力を高め,未来につなげる下水道」という基本理念のもと,長期ビジョンと,10年間の中期計画を,また,その中期計画の達成に向け,4年間の実施計画として「下水道経営計画2020」を策定し,下水道事業の健全かつ安定的な事業運営を目指している。

 

 

  1.  下水道事業を取り巻く経営環境についても,厳しさを増してきており,大きな転換点を迎えています。まず、本市の下水道事業の経営状況について基本的なところをいくつか押さえておきたいと思います。

平成30年度の使用料収入,損益および経常収支比率を示し、経営状況をお答えください。

 

(道路下水道局)

平成30年度の使用料収入は約280億円、損益が約75億円の黒字、経常収支比率は115.3%。経営状況は良好。

 

 

  1.  経営状況は良好なようですが,下水道事業についても中・長期的な視点を持って経営を行なっていかなければなりません。改めて使用料収入等の長期的なトレンドを伺いたいと思います。まず,使用料収入はどのような状況で推移していますか。その間の損益の状況と合わせて,説明してください。

 

(道路下水道局)

・下水道使用料は、17年度の料金改定以降、多少の増減はあるものの、基調としては、ほぼ横ばいで推移。

・損益は、18年度以降黒字で推移しており、30年度決算では

75億円の黒字を計上。

 

 

  1. 【パネル】下水道の使用料(青)は、平成18年度の約276億円からしばらく横ばいが続いていましたが、平成28年度に約279億円を記録し、29,30年度は約280億円となっています。

一方,損益(黄色)を見ると,料金改定を行った17年度の約8300万円の赤字を最後に、18年度以降は、黒字に転換し、29年度が約67億円,30年度が約75億円の黒字と過去最高を記録しています。

使用料収入つまり売り上げはほとんど変わっていないにもかかわらず黒字が続いています。その要因について説明してください。

 

(道路下水道局)

・資産の有効活用、資金の効果的運用による収入の確保や維持管理費の低減などによる経費の削減に努めるとともに、19年度から24年度にかけて措置された国の制度を活用し、高金利企業債の借りかえに伴う利息負担の大幅な軽減により、継続的に黒字を確保。

 

 

  1.  経費節減や企業債の支払利息削減などということですが、平成30年度末の企業債残高はいくらになっていますか。企業債残高のピークの時期と金額をお答えください。

 

(道路下水道局)

・平成30年度末の企業債残高は約3,665億円。

・企業債残高のピークは平成14年度の5,097億円。

 

 

  1. 【パネル】企業債残高(赤)のピークは平成14年度で約5,097億円。平成30年度の企業債残高が約3,665億円ですから、ピーク時から約1,432億円縮減しています。

約3,665億円という企業債残高は他の大都市と比べてどのような状況にあるのか,お聞かせください。さらに、水道事業の企業債残高は料金収入の3,5倍ということでした。下水道事業の企業債残高は使用料収入の何倍となっていますかお答えください。

 

(道路下水道局)

・一人あたりの企業債残高は,福岡市は約24万円,福岡市を除く指定都市及び東京都の平均である他の大都市平均は約20万円

・福岡市は21都市中,多いほうから5番目 

・企業債残高は使用料収入の13.1倍,21都市の平均は12.1

 

 

  1.  企業債残高が多いということは、償還の利払いの負担が大きく、また、金利が上がっていくリスクもありますから、更なる企業債残高の縮減に取り組んでいかなければなりません。

今後どのように企業債残高の縮減に取り組んでいくのか,新ビジョンの見通しに沿ってお答えください。

 

(道路下水道局)

・多くの企業債残高を有しており,下水道ビジョンでは、10年間で平成28年度末の起債残高より20%縮減することを目標としている。

 

 

  1.  下水道施設の中でも特にストック量が多い管きょについてお尋ねします。下水道管の法定耐用年数は50年だと思います。本市の下水道整備は昭和50年代前半から積極的に推進してきていますが、下水道管の改築更新にかかる事業費のピークはいつ頃になりますか。

 

(道路下水道局)

・昭和60年前後が整備のピークで、単純に耐用年数を50年とすると、令和10年度後半。

 

 

  1.  計画的な改築更新を行っていくためには,これまで整備してきた管渠の状況を的確に把握していく必要があります。下水道の経営状況を示す指標の中に,管きょの老朽化率と管きょの改善率という指標があります。これらの指標の説明と平成30年度の数値をお伺いします。

 

(道路下水道局)

・老朽化率・・布設後50年を経過した管きょ渠の延長割合

・改善率・・その年度に管きょが改築された割合

・平成30年度 老朽化率6.6%,改善率0.46

 

 

  1.  これらの指標を用いることで,老朽化した管の割合と,どれくらいのペースで改築が行われているかを把握することができます。平成30年度の改善率46%の指標を用いて計算すると,本市の下水道管の更新が一巡するには単純計算で何年かかることになりますか。

 

(道路下水道局)

・改築更新が一巡する年数は,単純計算で約220年。

 

 

  1.  今のペースでは更新が一巡するのに約220年かかるということですが、先ほどの答弁で、令和10年代後半には改築更新のピークが来るということでした。

改築更新事業は、新規投資とは違って新たな使用料収入が見込めないわけですから、今後収支は悪化していくことが予想されます。

そのような中で、改築更新のための事業費が急増するピーク時を、いかに見直して必要な事業費をどう絞り込んでいくかというのは経営戦略として重要な課題となります。今後どのように下水道管の更新に取り組んでいくのかお伺いします。

 

(道路下水道局)

・下水道管きょの老朽化は,道路陥没や汚水の溢水など,重大な事故を引  き起こす危険性があることから,計画的かつ効率的に維持更新を実施していくこととしている。

・今後とも,計画的なTVカメラ調査や維持修繕により,長寿命化を図る  とともに,優先順位に基づく重点化により,事業費の平準化を図りつつ,効率的な改築更新を行っていく。

 

 

  1.  もう一つ下水道の経営指標を使って質問していきます。

平成30年度の使用料単価,処理原価,使用料充足率を示すとともに他の大都市平均と比較してください。

 

(道路下水道局)

・使用料単価 179.16円,平均140.00

・処理原価 131.47円,平均120.29

・使用料充足率 136.3%,平均117.9

・いずれの指標とも平均を上回っている。

 

 

  1.  【パネル】使用料単価(青)の過去5年間の推移です。ほぼ180円前

後で推移しています。処理原価(赤)の過去5年間の推移を示しています。26年度の147,64円から少しずつ下がってきていて、30年度が131,47円となっています。

下水道の場合は、使用料単価を処理原価で割った指標を使用料充足率といいます。

使用料充足率(緑)を示しています。26年度が121.8%、30年度が136.3%です。他大都市平均は117.9%となっています。

使用料充足率を利益率と考えると、福岡市の利益率は極めて高いということが言えます。少なくとも下水道ビジョン2026の最終年度(令和8年度)までは値上げすることはないと考えますが、所見を求めます。

 

(道路下水道局)

・下水道ビジョン2026において目標としている令和8年度までは,現行の下水道使用料の水準を維持。

 

 

  1. 本市の下水道事業は,使用料収入の伸び悩みや多額の企業債残高の償還,老朽化した管路の更新、頻発する自然災害への対応などの多くの課題があります。

これらの課題の解決に向けては、経営指標などを活用しながら、「見える化」に努めていただきたいと思います。

そして、学識経験者や専門家の知見を借りて分析,精査し,経営計画に反映させていただきたいと思います。

本市の下水道事業の経営戦略について見解と決意をお聞かせください。

 

(道路下水道局)

・将来的な人口減少,一人当たりの使用水量も減少という,厳しい状況か  つ下水道施設の老朽化や大規模災害へのリスク対応などの課題を抱えているなか,危機感を持って経営に取り組んでいきたい。

 

 

  1.  水道事業と下水道事業を検証しながら質問を進めてきましたが、公営企業を取り巻く経営環境は、ますます厳しさを増していきます。

料金収入や使用料収入の伸び悩みに見られるように稼ぐ力が弱くなっている一方で、収益の源である施設や設備が大量更新時期を迎えていることは大きな課題となっています。

それぞれの企業体が、自らの経営等について的確な現状把握を行った上で、将来にわたって安定的に事業を継続していくための経営戦略を描いていくことが必要です。

最後に公営企業の経営基盤の強化と財政マネジメントについて高島市長にお伺いして質問を終わります。

 

 (市長)

 ・企業会計の経営基盤の強化は大変重要であり,各企業会計において,それぞれの経営環境を踏まえながら,中長期的な計画を策定し,戦略的な経営に取り組んでいるところ。

・今後とも,徹底した経費節減や積極的な収入確保,企業債残高の縮減などにより経営基盤の強化を図るとともに,アセットマネジメントの推進など持続可能な財政運営に向けた取組みによって,福岡市の住みやすさをさらに向上させることができるよう,全庁を挙げて取り組んでいく。

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